- いつまく? まく時期で気をつけることが変わります
- 又根はなぜできる? 原因は土の中にあります
- まき方と株間は? 株間は品種の大きさで決まります
- 間引きと追肥はいつ? 3回に分けて1本にします
- プランターで作るなら? 容器の深さに合う品種を選びます
大根は「秋まき」とひとくくりにされがちですが、まける期間がかなり長い野菜です。中間地(関東から中国・四国の平地)なら、8月下旬から10月中旬まで。2か月ほどの幅があり、トンネルで保温して春どり向けの品種を使えば、11月上旬までまけます。
ただ、早まきなら暑さと虫、遅まきなら寒さと太るまでの時間。まく時期によって、気をつけることが入れ替わります。
いちばん多い失敗の又根(またね)は、根が二股に分かれてしまうもので、まいたあとでは直せません。決め手は、まく前の土の準備です。
いつまく? まく時期で気をつけることが変わります
中間地でいちばん作りやすいのは、9月上旬から中旬です。寒冷地は8月上旬から中旬、暖地は9月上旬から10月上旬にまきます。
この時期にまくと、根が太る10月から11月にちょうど涼しくなります。大根の生育適温は20℃前後で、根が太る後半は平均気温17〜21℃がいちばん向いています。平均25℃を超えると、根の太りが鈍ります。大根は、涼しくなってから太る野菜です。
8月下旬の早まきは、まだ暑いなかでの種まきです。病気や、根にすが入るなどの傷みが出やすく、芽が出た直後から虫も多くなります。まいたらすぐ防虫ネットをトンネル状にかけ、その上に寒冷紗を重ねて日ざしをやわらげます。寒冷紗は本葉が開いて暑さが落ち着いたら(まいてから2〜3週間)外し、ネットは残します。
9月下旬から10月中旬の遅まきは、虫が減るぶん楽になります。そのかわり気温が下がるので、太るまでに時間がかかります。適期にまいた青首大根なら収穫まで60〜70日ほどですが、遅まきでは90日前後かかることもあります。種袋のまき時が10月まで書かれている品種を選んでください。
10月下旬から11月上旬にまくなら、ビニールのトンネルで保温し、品種はトウ立ち(花の茎が伸びて、根がかたくなること)しにくい春どり向けのものを選びます。収穫は年を越してからになるので、春に暖かくなってトウが立つ前に穫りきります。
又根はなぜできる? 原因は土の中にあります
大根の失敗でいちばん多いのが、根が二股や三股に分かれる又根です。見た目が悪いだけでなく、短く止まったり曲がったりもします。
原因は、地中へまっすぐ伸びていく根の先が、途中で何かに当たることです。当たる相手は、分解しきっていない堆肥や前作の残り、土のかたまり、小石です。根の先にある成長点が傷むと、脇の根が太って枝分かれした形になります。乾燥で根の先が傷んだときも同じです。

有機で育てるなら、入れる有機物が多いぶん、ここをいっそう丁寧にします。堆肥は完熟したものを使い、前の作のうちか、遅くともまく2週間前までに入れておきます。 分解途中の有機物は、それ自体が障害物になるうえ、分解で出るガスでも根を傷めるからです。
Sofarm では、大根を作る畝には堆肥を前の作のうちに入れておき、まく前によく耕して土のかたまりをほぐしています。小石の多い畑なら、まく列だけでも手で拾っておくと、又根がぐっと減ります。
耕す深さは30cm以上が目安です。根の長さぶんだけ、障害物のない柔らかい土が要るからです。粘土質で水はけの悪い畑なら、畝を20cmほど高くしておくと、根がまっすぐ伸びやすくなります。
元肥は、まく2週間前までに入れ終えます
化成肥料で育てるなら、元肥は1㎡あたり100g前後(N:P:K=8:8:8)が一般的です。有機で組むなら、1㎡あたり完熟堆肥2kg、発酵鶏糞200g、油かす100gほどが目安です。窒素の量では化成肥料より少し多めですが、有機質肥料はその作のうちに効く割合が7割ほどなので、これで釣り合います。
畑が酸性に傾いているなら、有機石灰を1㎡あたり100gほど足します。大根は酸性にわりあい強いので、毎回入れる必要はありません。どれも、まく2週間前までに入れて土とよく混ぜておきます。前の作で肥料をしっかり入れた畑なら、量は減らしてかまいません。肥料が多すぎると葉ばかり茂って、根が曲がったり、すが入ったりしやすくなるからです。
まき方と株間は? 株間は品種の大きさで決まります
まき方は、1か所に数粒ずつまく点まきです。空き瓶の底などを押し当てて深さ1〜2cmのまき穴を作り、種を4〜5粒ずつ落とします。乾きやすい軽い土なら深め、粘土質の重い土なら浅めにします。
土を1cmほどかけたら、手のひらで軽く押さえてから水をやります。種と土が密着して水を吸いやすくなり、芽がそろって出ます。
畝幅は、1列にまくなら60〜70cm、2列にするなら1mほどとります。2列のときは、条間(列と列の間隔)を40〜50cmにします。株間は品種の大きさに合わせます。
| 品種のタイプ | 株間 |
|---|---|
| 青首大根など、ふつうの大きさのもの | 25〜30cm |
| 聖護院・三浦のような大きいもの | 40cm |
| ミニダイコン | 20cm |
種袋に株間が書いてあれば、それに合わせてください。
間引きと追肥はいつ? 3回に分けて1本にします
間引きは3回に分けます。双葉が開いたら3本に、本葉が2〜3枚になったら2本に、本葉5〜6枚で1本にします。小さいうちは数本が寄り添っているほうが倒れにくく、そのなかから出来のいい株を選べるからです。葉の形がいびつなもの、虫に食われたもの、育ちの遅れたものから抜き、残す株は株元を指で押さえて根を傷めないようにします。
追肥は、2回目の間引きのあとと、1本にしたあとの2回です。どちらも、追肥と土寄せをセットでやります。 株元から少し離れたところに肥料をまいて土と軽く混ぜ、その土を株元に寄せます。間引いたばかりの株は茎が細くて倒れやすいので、寄せた土で支えるわけです。
量は、化成肥料(N:P:K=8:8:8)なら1回に1㎡あたり50gほど。ぼかし肥は窒素の割合が化成肥料の半分ほどで、効き方もゆるやかなので、1回に1㎡あたり100〜150g(ふた握りから三握り)にします。Sofarm では化学肥料を使わないので、ぼかし肥をこの量でやっています。
追肥が遅れると葉が十分に育たず、根の太りも遅れます。大根は、葉で作った養分で根を太らせる野菜だからです。
プランターで作るなら? 容器の深さに合う品種を選びます
プランターで作るときは、容器の深さに合う品種を選ぶことがいちばん大事です。根が伸びる先に底があると、つかえて曲がるか、短いところで止まってしまいます。
容器の深さは、品種の根の長さに10cmほど足すのが目安です。根長20cmほどのミニダイコンなら、深さ30cm以上の深型プランターで育ちます。根が35〜40cmになる青首大根は深さ50cm近く要るので、培養土の袋の底に水抜きの穴をあけ、そのまま立てて使う袋栽培が向いています。
ミニダイコンなら、幅65cmほどの深型プランターに株間20cm前後で3株が目安です。まき方と間引きは畑と同じで、土は市販の野菜用培養土で十分です。まいてから50〜60日ほどで穫れる品種が多いのも、プランター向きな点です。
プランターは畑より土が乾きやすく、乾燥で根の先が傷むと、ここでも又根になります。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりやってください。
病害虫はどう防ぐ? まいた直後のネットで守ります
大根はアブラナ科なので、アオムシ、コナガ、キスジノミハムシ、ヨトウムシ類、ダイコンシンクイムシ、アブラムシが次々とやって来ます。多いのは、まだ暖かい9月から10月です。
農薬を使う場合は、まくときに土に混ぜる粒剤と、育つ途中の散布で防ぐのが一般的です。農薬を使わずに育てるなら、防虫ネットで防ぎます。大きくなってからではなく、まいた直後にトンネル状にかけてしまうのが肝心です。 芽が出たばかりの株は、少し食べられただけで育ちが止まってしまうからです。裾には土をかぶせて、すき間なく閉じておきます。
目合いは0.4mmほどの細かいものをすすめます。チョウやガの仲間は1mm目のネットでも防げますが、アブラムシやキスジノミハムシのような小さな虫は通り抜けてしまいます。
ただし、キスジノミハムシはネットだけでは防ぎきれません。前の作でアブラナ科を育てた畝では、土の中に幼虫やさなぎが残っていて、ネットの内側から出てくるからです。成虫は葉に小さな丸い穴をたくさんあけ、幼虫は根の表面をかじって、黒っぽい点々や筋のような傷を残します。暑い時期に多いので、早まきほど被害が出やすくなります。アブラナ科のあとの畝は避けるか、夏のうちに太陽熱で土の中の虫を減らしておきます。まく3〜4週間前までに、耕した畝に水をたっぷりまいて透明マルチでぴったり覆っておきます。8月下旬にまくなら、梅雨明けすぐに始めて8月中旬に外します。
病気は、軟腐病とウイルス病に気をつけます。軟腐病は地際から腐って強いにおいを出す病気で、虫の食い跡や作業でついた傷から菌が入ります。出た株はすぐに抜いて、畑の外で処分します。予防は、畝を高くして水はけをよくすること、暑い時期の早まきを避けること、同じ畝で続けて作らないことです。
ウイルス病は葉がまだらになって縮れる病気で、アブラムシが運んできます。防虫ネットに加えて畝をシルバーマルチで覆うと、照り返しの光を嫌うアブラムシが寄りつきにくくなります。
大根は、まく前の土の準備で出来がほぼ決まる野菜です。土を深く柔らかくして、まいたらすぐネットをかけます。あとは間引きと追肥を順に済ませれば、2〜3か月で収穫できます。